Engineered Design:環境シミュレーションを援用した集合住宅の群造形

2019年度 立命館大学 建築都市デザイン学科 1回生前期「情報処理演習」


「Engineered Design:環境シミュレーションを援用した集合住宅の群造形」

□背景と意図:

建築情報を用いたデザインを体験的に学ぶために,集合住宅の建築ボリュームの群造形を光・風のシミュレーションを行いながら計画する課題である。

建築情報・BIMの代表例に3次元モデルを用いた環境シミュレーションがある。環境性能は建築物の重要な評価指標であることは言うまでもない。このことから環境シミュレーションを情報技術の中でも既に高く発展している。設計者の視点からみれば,環境エンジニアへの依頼せずとも自身で簡易な環境シミュレーションを実行しながら設計案を発展させることが可能になった。同時に,設計者からエンジニアへ,という仕事(モデル)の単方向性を双方向に変えることも可能になった。つまり環境エンジニア若しくは環境工学が設計に一層関与することも可能になった。これは環境に限らず,建築分野におけるengineerに基づくdesign,Engineered Designの可能性を示唆している。

一方で「感性」もやはり重要である。Engineeredされていれば良いデザインという訳ではなく,やはり人の感性も重要である。Engineerにより洗練される感性,感性により洗練されるEngineer,このような双方向性によるデザイン案の発展を体験し,今後の学習に活かして欲しい。

Engineered Design
聞きなれない言葉ですね。それもそのはず,適当に作った造語なのでネット検索してもマッチング度合が高い記事は少ないです。流体力学に基づく車のデザインをイメージしよう。

今後の学習
この課題は後期の「建築環境工学概論」との連携課題です。この授業はその前段として,光の当たり方,風の通り方を仮想的に視覚化するアプリケーションの使い方を学び,使ってシミュレーションを援用した計画プロセスのイメージを醸成することまでを目的としています。後期以降の授業で専門知識やそれふまえた計画理論をしっかり学びましょう。建築環境工学概論では,専門知識の学び・実験・類似課題の演習がありますよ!

課題内容:

集合住宅の建築ボリュームの群造形を環境シミュレーションを援用してデザインすること。

集合住宅における建築物の群造形は,
「人同士の関係性のデザイン」であり,
「良好な居住環境のデザイン」であり,
「様相の美観性のデザイン」であり,
「都市・自然環境との関係性のデザイン」でもある。
各チームで上記に対する考え方を主にコンセプトを立案し,環境シミュレーションを援用しながら群造形をデザインして欲しい。

なお本授業は3次元としての建築ボリュームのまとまりとしての形態デザインを主旨としている。そのため建築内部や平面・断面・立面の計画や図面の作成は必須ではない。加えて,計画や構造などの実現可能性も強くは追求しない。勿論,挑戦しても良いし,加点として評価するが,専門的な知識や設計製図の経験が無いためとても大変になる思う。本授業の主旨である建物ボリュームの集まり方である群造形を自由に,自由ながらも工学的に思案しながらデザインして欲しい。

・設計条件(建築環境工学概論の18年度の課題を改変)

  1. 建物用途:戸数30戸程度の集合住宅。外部者の利用も可能な共用スペース・オープンスペースを併設する
  2. 地域条件:寒冷地(札幌)、温暖地(大阪)、熱帯地(那覇)から選択すること
  3. 敷地条件:周辺を自由に設定して構わない60m×60mの敷地とする(東西南北に正位している,高低差も自由に設定して構わない)
  4. 住戸:概ね100㎡/戸程度(150%程度,若しくはさらに前後して構わない)
  5. 共用スペース:100㎡程度,200㎡程度,300㎡程度を一つずつ,用途も提案する
  6. オープンスペース・建築面積:自由に設定して構わない
  7. 階数・高さ:高さ制限なし,地下利用に関しても自由に設定して構わない。それぞれの高さが違っても勿論良い

・建築環境工学概論との違い

  1. 建築内部平面・断面・立面の計画や図面の作成は必須ではない
  2. 各住戸を分棟にしてもよい
  3. 計画や構造などの実現可能性を強くは追求しないが,宙に浮いているなどはVR建築の課題ではないので流石に駄目

スライド構成:発表時間は3分30秒,下記の構成とすること。

授業では段階的に技能を学び,最終的にはGoogleスライドにまとめて発表会を行う。

  1. 表紙:タイトル,チーム番号,メンバーの名前は任意
  2. コンセプト:群造形や環境,意図したことが伝わるようにする
  3. 形態:全体の形態の様子,意図が伝わるようにする
  4. 光:意図とシミュレーションの結果が伝わるようにする
  5. 風:意図とシミュレーションの結果が伝わるようにする
  6. アピール:各自で伝わるように工夫する
    枚数は任意,創意工夫は大歓迎,3から5の順番は変わってもよい。

提出:

  • メンバーのいずれかがgoogleアカウントを取得すること(Googleスライドを使うために)
  • メンバーのいずれかがYouTubeアカウントを取得すること(シミュレーション動画を共有するために)
  • 期日:プレゼンテーション回の10時30分まで
  • 提出物:
    • Googleスライドの共有URL
    • Googleスライドをpdfに変換したpdf(ファイル名はチーム番号)
  • 提出方法:manaba
  • コンテンツは相互閲覧のために少なくとも19年度中はオンライン上から削除しないこと

グループ:

  • 3人で1チームとし,止むを得ない場合のみ2人とする 
  • 代表者が05/09の授業開始時までにmanabaの報告
  • 代表者は,メンバー全員の学生番号と名前を報告する
  • コンピューテショナルデザイン編はグループで着席すること

細則・備考:

  1. YouTubeへの動画アップロード,Googleスライドへの挿入方法についても簡単に授業内で紹介する
  2. 初めての群造形として自由に思考を広げて欲しい,楽しみながら真面目に思考したアグレッシブなデザインを歓迎
  3. 建築環境工学概論と連携した課題であるが主旨や提出物が異なる部分もある。先輩の成果物を参照するのは勉強になるが過度に意識する必要はない
  4. 初めから難しく考え過ぎないように注意,専門的な知識と経験が無い状態でもあるので,最初は何となく,適当から初めても良い
  5. 単に何かの形態を真似することから始まることも多々ある。「鳥や魚の動物(虫)の群れ」,「木々・草・舞う桜・水面に浮かぶ花びら,石などの植物」,「電子基板」,「細胞や粒子のミクロの世界」,「織物など何かしらの模様」,「街並み」,「人々」,何でも良い。勿論,論理的に計画しても良い
  6. 提出物はみなさんで相互閲覧できるようにこのサイトでまとめページを作成します。スライドの表紙に名前が書かれている場合は名前をテキストとして記載します(検索でヒットするかもしれません)。無い場合は記載しません。まとめページに記載されたくない場合は僕に伝えてください。

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