デザインマイニング? 統計的デザイン意思決定 -01-

タイトル:「フロントローディングおいて良い案をマイニングする」

サブタイトル:「意思決定の高度化」「BIM時代に数の海で溺れないために」「設計者による簡単な統計」

突然ですが,この投稿は長くて少々ややこしいです。
そのため投稿意図のアイコンとしてとある学生さんの提出物をいきなりですがお見せします。

学生さんのプレゼンテーションとして余り多くは目にしないタイプかと思います。実務でもそうでしょうか。
「長い投稿だけど見てみよう」と思って頂く契機になるといいのですが,,,

では始めます。内容が長いため3回に分けてお届けします。
お付き合い頂ければ幸いです。


1:はじめに

BIMを契機とした建築情報の展開がもたらすであろう建築・都市に対するインパクトに多くの人が期待を寄せられておられると思います。
日々拝見する先進的なプレスリリース・イベントからもその期待の高まりを感じます。
この投稿ではそれらの期待の高まりの一部である「フロントローディン」を考えます。
この投稿では「フロントローディン」の目的は,「早期に質の高い意思決定を行うこと」により建築・都市をさらに高度にする(良い建築にする)とします。
大きな間違いがなければこの目的でご容赦ください。

では,「BIM」を使えば「早期に質の高い意思決定」を行うことができるのでしょうか?

この問いを敢えて挑発的に言い換えさせて頂くと,

「企画チーム,偉い人,信用できそうなベテラン,先導的な(扇動的な?)建築家,科学的な背景がありそうな専門家,高度で難解な説明をする有識者,そして施主,これらでワイワイガヤガヤと集う意思決定と称した長い会議をBIMにより進歩させるイメージはありますか?」

という問いです。

この投稿では非常に古典的な統計処理を使って,上述の意思決定を少しだけ進歩させるかもしれない手法を紹介します。「人」の意思決定を否定する意図はありません。残念ながら今の所は人の方が優秀な気がします。
ただ,俗に言う「定量的な計画手法」に興味がある方はぜひもう少し読み進めてください。
「定量的な計画手法」,研究者の模範的な研究目的です。ただこの研究目的は有るような無いよう,ただの「言葉」のような気もします。
しかし,BIM時代の到来により,この言葉が簡単な統計により誰もが意思決定の場で使える「道具」になっていることを共有したいと思います。

皮肉めいた背景はこれくらいにして,内容に移ります。


2:想定場面

まずこの投稿が想定している場面です。
この投稿は「フロントローディン」,つまり企画・計画段階の意思決定をテーマにしていますので,「コンセプトモデル」の検討を場面に採用します。
比較的大規模で,造形としてランドマーク性も求められる建築物の大まかなボリュームスタディ,などを想起して頂ければと思います。ただ規模は本来関係ありません。

次にこの場面を「コンピューテショナルデザイン」を用いた「発散」「収束」という二つの段階として考えます

発散

では「発散」段階から始めます。
「ビジュアルプログラミング」の普及により以前と比して一段と親しみやすくなった「パラメタリックデザイン・アルゴリズデザイン」,PCのスペック向上・GPUの誕生により高速・高度化した「レンダリング」,この両輪により極めて短時間に,3Dモデルとそれなりに綺麗で均質なスケッチが描けるようになりました。手練れであれば100案という数も徹夜は不要です。(玉石混淆ではありますが)
ということで,唐突ですが100案できたとします。実はこの投稿は「収束」に着目しています。そのため「発散」はこの程度で終わりにさせて貰います。

注釈:手法の話をしていますので,コンピュータを使用して発散した案の一つ一つの建築らしさは人の発散にまだ敵わず玉石混淆,もしくは石ばかり,という疑義,実際は発散と収束の小さいなサイクルを回しながら進む,という実態も保留させてください。ただ人による発散でもこの投稿で扱う「収束」において大きな問題はありません。

収束へ

では「収束」の段階に移ります。
さて,100案分の3Dモデルとレンダリング画像ができました。「フロントローディング」では,「建築行為の序盤で多くの可能性を多面的に評価することが重要」と理解しています。多くの可能性が出て来ました。これを多くのステークホルダーという多面性で喧々諤々のディスカッションして収束させるのも「収束」でしょう。正直に申し上げると,この方がいい気もするのですが。。。
しかしこの投稿では「定量的」に収束させたいと考え(BIMらしく?)「シミュレーション」を実行するとします。
「シミュレーション」には@@@などがありますね。@@@には今後取り入れたいと思っているシミュレーションを何でも入れてください。
実際にはテクニカル的にも難しい場面ですが,技術の進歩と普及が更に進み,@@@を全部実行出来たとします。
さぁ,意思決定をしましょう!

意思決定

状況を確認します,
今,皆さんの目の前には,BIM以前を遥かに上回る大量の報告書があります。
,,,,,で,どうしますか?
多くの可能性を多面的に評価した報告書,定量値が意思決定の場に溢れかえっている状況です。
単位や値の範囲も様々です。
敢えて極端に,100案に対して,100種のシミュレーションが出ているとします。さぁ,どのように意思決定をすれば定量的,質の高い意思決定が行えるのでしょうか?
非常に愚かな状況と笑うかと思いますが,最後の意思決定の方法を視野に入れずに,「BIMでフロンローディング!!!」という大号令はこのような状況を作り出すかもしれません。筆者の感覚ですがこの先に関する言及がとても少ない気がしています。(当たり前過ぎて,誰も言及しないだけかもしれませんが)

という訳で,この投稿ではこの先の喧々諤々のディスカッションを助けるかもしれない資料を古典的な統計で作ります。


いよいよ,という段階ですが,Part 01では序章までとさせて頂きます。
次の投稿では標準化(標準得点)という統計処理を使って意思決定の準備をします。ご覧頂ければ幸いです。

Part 02

デザインマイニング? 統計的デザイン意思決定 -01-” への4件のフィードバック

コメントは受け付けていません。