BIM総合演習 立命館大学 建築都市デザイン学科 建築情報学 系授業 3回生前期(2024)
#課題0:興味がある 建築情報学 近傍の何かを探す(アカウント準備)
-Twitter-
□意図:
近年は先端的な取り組みが当人から一次情報として発信されることも多い時代です。SNS 系メディアが最速,という事も珍しく無くなりました。それに伴い情報は爆発的に増え,情報をキャッチアップする技術・習慣・姿勢が増々求められています。またインターネット誕生以降の大原則に「ネットから何かを得る人は何かをネットに発信せよ」という原則もあります。
上記の意図でいくつかの提出物をツイートして貰います。情報取得・ネットに貢献する練習です。また僕が出来るだけ皆さんの提出物にコメントをするためでもあります。もちろん受講生同士でコメントもしましょう。これは情報発信を厭わない練習でもあり,ディスカッションの練習でもあります。ぜひ発信したいと思えるようなコンテンツを作りましょう。(発信したいから良コンテンツを作るでもいい!)
なお提出ツイート以外は見ませんが気になる人もいると思います。その場合は次回の授業までに,僕が見られる・見てもよいアカウントを作成してください。
□内容:
- 授業で使用できるツイッターのアカウントを用意する
- 建築情報学に関る取り組みで興味があるコンテンツの URL とコメントを 3 例ほどコメント付きでツイートする
□概要:
- 提出物:ツイート
- ハッシュタグ: #立命建築情報
- 期日:2回目の授業開始まで
- 紐づけ方法:2回目の授業の際にアカウント名と本人を紐づけます。(あくまで成績管理用)
- 参考:
-miro-
□意図:
- オンラインでの共同制作や集合知形成の練習と体感
- 学習モチベーションと目標の設定
□内容:
- 共通(授業内):miroのアカウントを作成し,練習として自己紹介を作る。授業に関するメモやスケッチ,進捗が分かる教員との相談資料はmiroに集約すること
- basic:興味がある コンピューテショナルデザイン・建築情報学 近傍の取り組みをリサーチして発表
- advance:課題Aを参照して着手したいプロセス・テクノロジー・デザインの観点から,コンピューテショナルデザイン・建築情報学 近傍の取り組みをリサーチ・思考して発表
- 注意:miro内の注意書きを確認すること
□概要:
- 期日:2回目の授業開始まで
- 提出方法・提出物:miro
- miroの招待リンク:こちら(削除しました)
#課題A:コンピューテショナルデザイン思考
-basic- : アルゴリズム/生成物への観察眼
□内容:
- アルゴリズムをコーディングして3次元立体物を生成する。
- リアルタイムレンダリングを用いて生成物を観察し,特徴・気付きを視覚的かつ言語的に表現する。
□意図:
アルゴリズミックデザインに限らず情報学を取り入れる意図は高速化による高度化と省力化の同時実現である。この課題であれば下記である。
- プロシージャルモデリング:形態の重要部分のパラメータ操作を可能にすることで,細かなステディが高速かつ容易になり,短時間で質を上げることができる。
- リアルタイムレンダリング:様相や現象の細かなステディが高速かつ容易になり,短時間で質を上げることができる。
例えば,これまで3時間で1回行っていたスタディを1時間で行えるようなれば,2時間で2回行うことで質を上げ,かつ,残り1時間は何かしらの投資的な内容に時間を使うこともできる。つまり単純なお手軽・手抜きのためとは大きく違う。
と言っても,実際には,上記の能力を獲得するため10時間掛かることもある。ただこれは無意味ではなく,とても有意義なことである。言うまでもなく実力が上がっているからである。次に徹夜しないために徹夜する,このことを意識して取り組んでほしい。
□手法:Rhinoceros+grashopperを原則とする
授業としてはRhinoceros+grashopperを用いて学習を進める。アルゴリズミックにデザインが生成されていれば他のアプリケーションや手法を用いても構わない。但し,プログラミングの練習にならない方法,パッケージ化されたサービス(○○メーカー等)・手作業のモデリング,を過度に用いることは禁止とする。自分で実装するという体験に意味がある。一方で,部分的に手作業を用いたり成果物の訴求力を上げるための演出としての画像加工はOK。
□題材:
自由。作ってみたい形態,試してみたいアルゴリズム,何となく面白い・好き・偶然できた・学習ソースのサンプルのちょっと改変・レシピ動画の真似,など。
□流れ:
- 生成する
- リアルタイムレンダリングを用いて演出する
- 光と影,マテリアルとテクスチャ,周辺環境と季節・天候など
- 1.2を繰り返して観察
- 視覚的かつ言語的に特徴や気付きを発表する。
□提出:
- 視覚:自由,動画の併用を強く推奨
- 言語:400字以上で「動機,プロセス,発見,面白さ,意図,気付き,感じたこと」
- 期日:各発表回の授業開始時まで
- 参考文献:必ず明示すること
- 提出方法:miro+任意
- 3回をある程度別々に行うこと
-advance-
□内容:
「アルゴリズミックデザイン」を行う。アルゴリズミックデザインとは,その名称の通り,アルゴリズム/アルゴリズム思考を用いたデザインである。プログラミングを用いることが多い。その特徴・嬉しいことには下記の4点がある。
アルゴリズム思考の特徴・嬉しいこと
- デザインの思考や発散を加速できる(偶然・意図の外側を楽しむ)
- デザインプロセスを視覚化/自己分析できる(プレゼンできる)
- 気付きを見出すことで収束できる(シミュレーション/最適化/データサイエンスも活用できる)
- デザインプロセスを再利用/共有できる(集合知に貢献,ネットから恩恵を得る者はネットに貢献すべし)
この利点の活用は建築・都市としても,社会としても重要な意味を持つ。現在の高い質の建築の維持と発展に必要だからである。基礎力は「Computational thinking, coding, making, discovery ability, knowledge」であり,昨今の社会的な課題である「デジタル(トランスフォーメーション)」人材に必要な能力でもある。この課題を通じて養おう。
コンピューテショナルなシンキングとは,デザインのルール・プロセスの思考を意味している。つまり設計と評価のルール・プロセスの思考である。デザインのデザイン,メタデザインとも呼称される。一連の流れを思考し,実装に挑戦,作品として人に見せられる完成度まで仕上げることで,実力を高めよう。
(この課題は,デザインプロセスをデータサイエンス的にとらえることを意味している。課題出題時のレクチャーと似た内容の参考動画①,②)
□意図:
Computational thinking, coding, making, discovery ability, knowledgeの能力向上が意図である。
□社会的な文脈から
この課題は,建築都市デザイン分野はもちろん国策として推進されるDXやサイバーフィジカル空間の提案・開発能力の醸成を意図している。
DXやサイバーフィジカル空間の提案・開発には,提案・開発の源泉となるコンピューテショナルな思考・知識・実装の経験と能力が重要である。もちろん単純な発想力も重要であるか,発想力とは見聞・努力・経験に裏打ちされた能力である。
また既往の建築・都市に造詣が深いだけで,上から目線で近未来の社会のインフラとなるDXやサイバーフィジカル空間の提案ができるほど甘くはない(逆も然り)。加えて,DXやサイバーフィジカル空間が社会インフラとなることは,既往の建築都市に関わる人々・皆さんが望むか望まないかはもはや関係無い。進んだ時に皆さん一人一人・建築都市がどのような立場になるかは皆さん次第である。
と言っても悲観する必要はない。意外かもしれないが,頭が固いはずの中年のほうが未来志向・挑戦志向に移行しつつある(ポーズやファッションだけの人もいるけどもうそれでもいい)。真似すれば良い前例や答えが無いことはの楽しみながら取り組もう!(根本的にそのような行動特性が重要)
□これまでの学びの文脈から
アルゴリズミックデザイン・リアルタイムレンダリングを用いた発散・探索的なデザインプロセスを俯瞰し,直感的に何かに気がづく,何となく良い,という感覚を得ることは非常に重要である。
しかし,人間の認知を超えたアルゴリズミックデザインの発散・探索力の真価を活かすには,生成変数と評価変数の一体化,その思考力と実装力が重要である。
この一体化が可能になれば,構築したアルゴリズミックデザインから生成し得る無数のデザイン案から良いデザインをマイニングすることも可能になる。
これは即ち,デザイナーが行うのはデザイン行為は,形態を作ったり図面を描くというメイキング行為だけでなく,デザインのルールを志向しそれを実装する,という行為にいよいよ移行する,ということを意味している。
この課題も,形態を作ること,設計することだけを重視してはいない。
題材に対する自身の感性・個性という抽象概念を生成変数と評価変数としてシンキングしよう。そしてそれをコーディング・メイキングしよう。そして発見しよう。
デザインのルールの思考と実装には,自らの手でデザインを行った経験が必要であり,皆さんはこの経験を幸運にも有している。実装経験も有している。
近未来の提案者のペルソナを意識して,課題に取り組もう。
thinkingは,coding, making, discovery abilityを先鋭化させる。
coding, making, discovery abilityは,thinkingを先鋭化させる。
knowledgeはその他を支え,その他がknowledgeを増やす。
どちらが上流にある訳ではなく,両者が互いの源泉となる。
このことを意識して,また最終的な成果物だけを意識せずに学ぼう。
□流れ:
- 提案の現象のプロセスを思考する
- 表現次元:対象を知る,生成次元の元
- 生成次元:形態を決定する
- 評価次元:形態を評価する
- 判断方法:形態を選ぶ
- コーディング・メイキングを試みる
- 発表する
- 備考:全てが量的で無くてもよい。飛躍があってもよい。1から始めなくてもよい。
□提出:
- 視覚:自由
- 言語:400字以上で「動機,プロセス,発見,面白さ,意図,気付き,感じたこと」
- 期日:各発表回の授業開始時まで
- 参考文献:必ず明示すること
- 提出方法:miro+任意
- 中間を含めて3回発表
□題材:自由
- 参考:新しい○○のグラウンド。南草津駅の西口広場(デザイン演習3後半課題の敷地,過年度参照)。
□提出物:自由
- 思考は必須であるが,実際に全てをコーディングするか,コンセプトビジュアル・物質としてメイキングするか,は自由である。
但しビジョンの提示は必須である。ただ成長のために,最終的な成果物の見栄えだけに拘らずシンキング・コーディング・メイキングに挑戦して欲しい。(プレゼン映えだけで成績を決めません)
□参考:
- この意図の詳細・重要性・一連イーメジの紹介こちら
- 類似意図課題(19年度)
- 類似意図課題(18年度)
- 建築情報学会 Session Vol.6 (1/2) の6:17辺りから
- 参考:建築情報学会Fes
- 授業で初回したプレゼン(建築情報研究室 M1 原田真衣, B4 広中翔)
□提出(7月20日):
- 3分以上のプレテーション動画を提出
- 提出方法:manabaのレポートにURLを提出
- 内容(順不動)
- 動機
- 成果物
- プロセス
- 提出物の振り返り(良い点・意義・課題点・発展性など)
- 授業の振り返り(学び・今後など)
- basic:3回分の発展版,或いは特定回の発展版(完成度が伴えば新しい内容もいい)
- advance:これまでの発展版
- 提出物のまとめサイトを制作します。動画制作時に留意すること。URLと一緒にまとめサイトでの名前明記の有無の希望を申告すること。そもそも掲載されたくない場合は別途連絡をください。
課題B:BIMモデリング
- 必須:
- 内容:Revitを用いた初歩的なBIMモデリングを学ぶ
- 提出物:教材の学習が完了したことが分かる画像とRevitファイル
- 期日:15回終了した後の指定提出日
- 提出方法:manaba
- 加点:
- 内容:Revitを用いた自作のBIMモデリングを行う
- 提出物:画像とRevitファイル
- 期日:15回終了した後の指定提出日
- 提出方法:manaba(+#立命建築情報で任意SNS発信)
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