歴史都市防災シンポジウムにてM1の中島くんが研究発表

第12回歴史都市防災シンポジウムにてM1の「中島 昌暉くん」が発表を行いました。

題目は「松山城における非合理的避難の割合と被害の推移に関する研究−マルチエージェントを用いた避難シミュレーション−」です。(原稿)

今回は投稿から査読回答,発表までの多くを本人に委ねました。
その中で査読を経て無事に発表できて何よりです。

今回,内容として個人的に良かったと思うことは,
別の研究者の既往研究の内容の頑健性を,類似ではあるけど異なる方法で追証した
ことです。
具体的にはこちらの研究です。

研究の評価視点では新規性が重要です。言うまでもありません。
しかし「追加検証,再現性の検証もとてもとてもともて重要です」医学や薬学では特にそうかと思います。
ただ僕自身が見聞する分野ではこの観点からの研究,研究の評価がとても弱いです。
(と言うよりも,根本的なことですが,研究間のつながりが弱い)

そんな中で今回の研究では,
「既往研究にて示された避難誘導割合は,新たな評価変数を加えても大きく変わらない」
「前提条件や方法を変えても大きくは変わらない頑健な知見である」
ということを示すことができました。

つまらない知見でしょうか。
「おー想定とは違う」
「思いもしなかった斬新な結果だね!!!」
みたいな結果ではありませんが,とても大切な知見を示した,と思っています。

発表会は,発表10分,質疑10分とリッチな構成です。
既往研究のご本人からもご質問・ご意見も頂けて,よかったよかったです。

なお上述では偉そうなことを書きましたが,
既往研究の方とはラーメンを数回ご一緒するくらいの「つながり」がありました。
そのような「つながり」がこの分野では多くない追証ということが出来た要因でもあります。
本来は研究者同士のつながりとは無関係に行うべきです。
が,そうは言っても難しいのが正直な思いですので。。。

また教育としても,このような大人としての場で緊張して発表,質疑応答を長めにできるのは大変有り難いです。
分野が限定的で,規模は小さいですが,その分近い分野の研究者が同じセッションになります。
学生としては嫌かもしれませんが,嫌なことの中には,正にそこに意味があることがあり,今回は該当します。
この研究は一区切りな感がありますが,培った技能と経験を活かしてくれると嬉しい限りです。

次回でも参加したいと思います。